交差する視線、深海魚丼があらわれた!海鮮丼佐政@沼津港

あの夏私を殺そうとしたのは、Dナルドダックの笑顔だったーー。

 

(ご無沙汰ついでに不穏にハロー!どうも私です。)

 

あれは5歳の夏、愛媛の海。ウエストにぴったりフィットする妙な形の浮き輪を装着して、私は波間に一人はしゃいでいた。

ーー妙な形の浮き輪、それはあの世界的エンターテイメント集団DズニーLンド所属のアヒル・Dナルドの形をしているものだった。(輪っかのボディ部分に水兵帽をかぶったアヒルの顔がくっついている。装着するとちょうど志村けん扮する”白鳥の湖”のようになる、と言えばアラサー以上には伝わるだろうか)

事態が急変したのは突然だった。海を漂っていた私は、大きな波に体勢を崩し、逆立ちの格好になってしまった。普通ならそこでぐるっと体勢を変えれば元に戻れるはずが、浮き輪にくっついているDナルドの顔が妙なバランスをとってしまい体を起こせない。フィットする浮き輪から抜け出す事もできず、犬神家の一族よろしく上半身を海の中、足だけを空中に伸ばした私は、パニックで海水を飲み込みつづけた。思い通りにならない体、バタ足はむなしく空をかく。濁った深緑色の海の中、Dナルドの笑顔を残して視界がブラックアウトしかけたその時、異変に気づいた親戚が岸からものすごい勢いでやってきて私を抱き起こし、そうして私は一命をとりとめたのだった。

そんな訳で海には並々ならぬ思い出がある私だが、古い友人に誘われてやって来たここはそう、静岡は沼津港

世にも珍しき深海魚が食べられるというのである。

海鮮を扱うお店が軒を連ねているが、まずは観光名所の「深海水族館」へと足を運ぶ。

料理はやはり知識あってこそ楽しめるというもの。ここから食事は始まっていると言っても過言ではない。いわばアミューズだ。

 

見慣れぬ姿の魚介類にワクワクがとまらない。

ダイオウグソクムシ様……! アーマーのようながっちりとした甲殻が美しい!!!

”最近”って感じの趣向を凝らした展示も多くて面白い。

にぎるとヌルヌルになるという噂のヌタウナギ。


世にも残酷なニジマスの水槽。なにも知らぬいたいけなニジマスの稚魚が泳ぐ。


食事からのアプローチも多い。すばらしきランチへの誘いだ。

シーラカンスの展示ではなぜかやるせなすの石井ちゃんが応援隊長ということで解説していたのも盛り上がってよかった。

趣向をこらした展示に大満足した私たちは水族館を後にして……

いざランチ!!


この深海魚バーガーも気になったが、まずは鮮魚で楽しみたい。やっぱりここは海鮮丼だ。

漁港のコアなお店を攻めたい気持ちもありつつ、チケット提示で10%オフになるという文句に誘われて、隣接しているレストラン海鮮丼「佐政」にイン。

14時近くだったが30分ほど待って着席、友人は限定メニューのユッケ丼、私はここぞと深海魚丼をオーダー!

ついでに深海魚と謳われている焼き物も単品で追加。

有線だろうか、店内に流れるアラサー殺しのBGMにテンションはあがる。ELT、アユ、DA PUMP……口ずさみながら待ちわびて約20分……「お待たせいたしました!」と運ばれてきたのは深海魚「メギス」の丸干し

それはまさにL’Arc〜en〜Cielの「花葬」が流れている時だった。

ナッハーン!!


メギスって何や。シシャモかい。

一瞬でぺろり。うん、シシャモみたいで美味しいね……(でもシシャモとは関係ないらしい)

そうこうしているうちに丼がやってきた!!

南マグロと富士山サーモンの甘辛ユッケ丼

そして

深海魚丼ダーーーーー!!!!

お味噌汁は色々選べる中からあら汁をチョイス。アジの干物がセットになっていた。
前景。紹介するね。上にいるのはユメカサゴ(あっさりしつつ微かに旨味のある脂ノリ)、右からホンエビ(むっちりあっさりだけど身からエビ味噌の味がした)、桜えび(静岡名物なの初めて知った)、金目鯛(金目鯛も深海魚なんだね!?)、ホンエビ2。
後景。右からメギス(さっきのシシャモみたいなアイツ!サッパリ柔らかい)、デン(あっさりしてるけどねっとりした食感がイイ感じ)、ホンエビ3。以上だーーー!!

失礼ながら、正直味のことはよく分からない。

・ファビュラスな美味しさ
・悶絶する美味しさ
・めちゃくちゃ美味しい
・美味しい
・普通
・以下略……のなかだと、まぁ、(想定通り)美味し〜い!!って感じだったな!

ユメカサゴと見つめ合うひととき、深く暗い海の底を思う。

深海魚とはいえ、思っていたよりちゃんとした白身魚だったので、あっさり淡白な味わいで食べやすい。エビは別としても5種の魚は、失礼ながら目をつぶって食べたらあんまり違いが分かんないかもしれないなーとも思った。

 

ここのお店では「干物となめろう丼」というメニューもスゴく気になったので、次回行くならトライしたい。

あとは近くの施設で売っていたマグロのテールの煮付け(大きい!!)に心ひかれつつ、手を出せず。

食べたかったな〜。

外に出れば沼津港。遊覧もやっているみたい。

海で溺れたあの日、もしDナルドの浮き輪がなければ、あるいはサイズが違っていたなら……。

海を見るたびにあの日のことを思い出すけれど、海に対して一度も嫌いだと思ったことはない。大量に飲み込んだ海水は私の体の中に入って、私の体の一部になったのだ。

ここにきて、深い海の底にはまだまだ知らない世界が広がっているんだということを知ることができてよかった。

竜宮城じゃなくたっていい、何処であれ未知の世界が存在するという事実が、行き詰まった私の心をわずかながらに救ってくれるのだ。

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たかこむ

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食欲の魔物にとり憑かれている、都内の酔っ払いOL。

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