旨味がぎゅっと。ムール貝&フリットPINZE LOCA@三軒茶屋

春は別れと出会いの季節。

別れはとても淋しいけれど、それでも春だからやっていける。

名店が閉店してしまう悲しみを人は何度経験するのだろう。

——かつてこのDeboo!JAPANで掲載したATTTの事だ。我々は、その真相を確かめるべく現地へ向かった。

……というのは嘘で、本当は新しいお店になったという噂を聞いて、浮き足立って現地へ向かった。リスクコントロール!現代を生き抜くスキルである。

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18時、三軒茶屋にて。変わらぬテラスに少しほっとする。

この店で、友人からの結婚報告におめでとうとグラスを鳴らしたのが約一年前。時が過ぎるのは早いもので、巻物でプロポーズされた彼女はつい先日、最高に楽しく幸福な式をあげた。新郎は新進気鋭の映画監督。

新婚の彼女を含む同期3人で集まるのにこの店を選んだのは、センチメンタルな春のせい。

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以前スペインバルだったこの店、今はムール&フリット専門店になっているらしい。

Pinze Loca(ピンゼロカ)

店内は既ににぎわいを見せていた。

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とりあえず、とメニューをめくって即感嘆。

2ページにわたるムール貝のメニュー!5行×5段×2ページで50種

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「左上から、右下まで、ぜんぶ一個ずつ」

 

……なーんて度胸と胃袋を持ち合わせていない我々は、メニューに記載のオススメと、壁に掲示されている人気ランキング、また各自の胃袋が求めるままに注文をした。

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ムール貝が蒸し上がるまでには少し時間がかかるので、その間にすぐ出そうなメニューを頼んでおくとよさそう。

とりあえずどうしよっか?とたぐるメニューの一角に懐かしい文字を見つけ、私たちの心は一つに重なった。

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——やっと、会えたね……。

 

薄いクレープ状の生地に巻かれたウニの姿。そう、これは『コノス』……!

あの日の奇跡が再び私たちの前に降臨したのだった。濃厚なウニに始まり、卵黄やアボカドの層が舌の上で滑らかにまろやかにハーモニーを奏でる。

三軒茶屋はメシア生誕の地として後世に語り継がれる事になるかもしれない。ハレルヤ!

 

そして次に届いたのは、生ハム二種の盛り合わせ

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一級品として知られるイベリコベジョータと、ハモンセラーノ

おおおおいしい。ちなみにこれでハーフサイズ。バラ色が美しい。つやが色っぽい。ワインがうまい。

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サングリア(赤)はフレッシュな果肉たっぷり。

 

そうこうしているうちに、お楽しみ!ムール貝の鍋がはこばれてきた。Sサイズで頼んで調子をみたのだが、思っていたより大きい。

まずは、レモン&バジリコ

鍋の蓋を開けた瞬間そこには……

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一瞬「海藻?」とか思ってゴメンナサイ。これはバジリコソース!レモンとバジルのさわやかな香りが立ち上ってもう最高。ムール貝プリップリ。手づかみでとめどなく食べて速攻で殻が積まれていく。

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手を伸ばす友人の左手にキラリと光るダイヤモンド。

新婚生活についていろいろ話を聞いていると、偶然にも新郎が近くで活動していることが判明し、急遽乾杯することに。

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新郎は結婚式の入場曲でロックを流し、8ミリを回しながら入場した逸材である。

 

ところでここはムール貝&フリットの専門店。

 

「フリットって、あれでしょ?ポテトでしょ?要る……?」 なんて一瞬でも考える前に、とりあえず+100円なんで頼むべし。

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このフリットがいい仕事するのだ。そのまま食べても美味しいけれど、ムール貝の旨みが溶け込んだスープに浸けるの最高!これはビールがすすむくん。フリットはセットで頼むこと!約束だよ!

 

残ったスープをパスタに絡めることもできるらしいので、次回はぜひチャレンジしたい。

 

次に届いたのはブッタネスカ

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「娼婦風」と呼ばれるスパゲティのメニューとして有名で、トマトとアンチョビやオリーブ、ケーパーや唐辛子等が入っているもの。見た感じではあっさりしていそうだが、ばっちり貝の身に絡んでました。底にたまっている汁を掬っては食べ、掬っては食べ。

当初、「貝だし、カサがあるだけでしょ、いくらでも食べられるぜ!」と息巻いていた我々は、このあたりで徐々にお腹が満ちつつあることに気づいた。けれど何のこれしき、まだまだ来るのだ。

すいません、ビール追加で!

10種ほどあるビールを次々と飲んでいく新郎。パンクIPAがリストにあるのに喜んでいた。ちなみに新婦が頼んだヒューガルデンはなんと上級のグランクリュ。ドリンクが豊富なのすばらしい。個人的にはホワイトエールが好き。さわやかで春っぽいよね。

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さて、ラストのムール貝が運ばれてきた……!

 

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私が最も食べたかったムール貝、こと、ランキング一位の!!!

ブルーチーズ!!!!

モワンと立ち上る匂いで歓声があがる。見よこの黒光り!画面越しにこの香りを伝えられないのがツラいところ。

チーズ大好きっこにはたまらないこの一品。貝の旨味とブルーチーズの濃厚なクセが絡み合って、そう、最高。

……もしかしてムール貝、ブルーチーズとデキてんじゃないの? ねえデキてんでしょ!ひゅーひゅー!くっそー!!ってな感じでめちゃ美味なのだ。

(新婚のまぶしさに当てられたアラサー女は我を忘れてムール貝に踊った)

そして貝を食べ尽くした後は……飲み干したいほどの濃厚スープだけれども、少々我慢が必要となる。

「悪いようにしないから」鍋を回収してゆく店員さんの目はそう語っていた。

「裏切ったら許さない」とキツい視線を送り、鍋を託す。

 

そわそわ。

 

答えはこうだ!!!

 

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リゾットきたーーーーーー!!!

これが集大成!すばらしき料理の結末!美味しくてあっという間に平らげてしまった。

 

「わたし、あんたは結婚から最も遠い女だと思っていた」

「いや、結婚願望はあったよ。最も遠い女だったかもしれないけど。彼に出会わなければ、ね」

 

ドリームズカムトゥルー。 クリーミーで最高のリゾット。幸せってこんな味。

 

胃に余裕があれば、お肉もいっておきたかったところ。

イチボのステーキ牛肉のビール煮込みという文字がメニューに載っていたの見えたんだ。

それにタルトフランベの写真がめちゃくちゃ美味しそうだったから、次はぜひそれも食べてみたい。

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日曜日の夜だというのに入れ替わり立ち替わりお客さんは絶えなかった。リピートしてしまう気持ち、よくわかる。デートでも来たいし、友人達とも楽しく飲みたい。

春は出会いと別れの季節、君たちが幸せな思い出を春に作ってくれたから、来年の春も待ち遠しいと思える。

一年前と同じように「また来ようね」と約束をして外に出ると、さわやかな春の風が吹いていた。

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たかこむ

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食欲の魔物にとり憑かれている、都内の酔っ払いOL。

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