羊肉をめぐる冒険
※最初に申し上げておくと、この文章はタイトルの通りの内容であり、村上某氏の作品とは全く関係がない。
2015年が終わろうとしている。
楽しいことも悲しいことも、「喉元すぎれば熱さ忘れる」という古人の名言がある通り、すっかり思い出は美化されてキラキラまぶしくて見えなくなるものだ。某Gackt先生は自身の未来を問われ、「まぶしくて見えない」とおっしゃられたそうだが、過去についても同様にまぶしくて直視できないことがあるのだ。
先日、クリスマス前の土曜に嗜んでいた独りラーメンをテレビのバラエティー番組に突撃取材されるという憂き目に遭い、若手芸人が私の両肩をポンポンと叩いて「がんばろっ?」なんて微笑んできたことも、一晩経てば思い出フィルターでフェード最大、美化モード、キラキラ上乗せ♡でなんとかネタに昇華してしまうのである。
そんなこんなで年末カウントダウン開始の今、未年ならではの思い出を振り返ってみようではないか…目を閉じれば輝く思い出、溢れる肉汁、立ち上る湯気……
〜〜そして目を覚ますと私は未、もとい羊肉をめぐる冒険に出ていたのであった。
ふしぎなふしぎな池袋、東が西武で、西東武……気づいた時には熱に浮かされるように口ずさんでいた。そう、ここは池袋。
ご存知の方も多いであろう聚福楼(ジュフクロウ)である。
ここは羊の丸焼きを拝める中華の名店である。
何というサービスショット。ワガママボディ。
さんざん眺めまくったあとは、心優しき店員が切り分けてくれた肉を、焼き肉スタイルでいただく。思わず隣のおっさんも身を乗り出すほどの量である。
部位にもよるのだろうが、羊肉がこんなに脂がのってジューシーだなんて、ここで食べるまで知らなかった。
ハイボールが進む。
スパイスのチリパウダーも見た目ほど辛くはなくいい感じのアクセント。マメ(腎臓)も注文。
これは食べ時が分からなくて焼き過ぎてしまった。 少人数だったもので肉だけでお腹いっぱい。他にも気になるメニューがあったので、大人数で行くといいかもしれない。
焼き肉も好きだけど、生肉はもっと好き。
お次は四谷三丁目、または代々木などにある、世界の羊料理がいただける、ビストロひつじやさん。
コスパのよさと確かな味で、いつも繁盛している名店である。周囲の店も気を惹くが、メーメーと心の中の羊が私を呼んでやまない。
羊の可愛い置物がお出迎え。ここでは迷わず、ひつじのタタキを注文すべし!!
美しく咲くダリアのようなラム肉にうっとり。もちろん味もイケてる。
チュニジアの餃子という気になるメニューも注文。
中にラムのひき肉とチーズと卵黄! 濃厚でこれは感動の一品だった。肉汁が漏れやすいのと熱々なのでご注意。
キノコタケノコ戦争を内包したマコモダケ(実際はイネ科の草)も。
ヤングコーンみたいな甘みのあるほくほく感にほっこり。
スペアリブもジューシーでおいしい!
これは別の日の注文であるが、ひつじの脳みそというメニューも。
麻婆豆腐ぽさある見た目。味は海老味噌みたいな感じ。
飲み物も原価に近く、色んなビールやワインがある。
ここはランチも最高のコスパ。
ケバブとスペアリブのランチはライスもパンもついて630円。食後にはチコリのコーヒーをぜひ。
そして最後は新橋、ラム肉の概念を覆すという、金の目さんへ。ここではラムしゃぶが食べられるのだ。
店内には所狭しと著名人からのサインが飾られてあった。ラムしゃぶは、肉・野菜・ご飯・ラーメン・アイスのセットでお一人2700円。鍋とつまみがセットされ待つこと数分。ご飯(写真失念!)はなぜか寿司のシャリのような小判型になっていた。この謎はあとで解明されることになる。
「おまたせいたしました」としゃぶしゃぶ用のラムがやってきた。
……!!
口説かれているのかと錯覚する美しき羊肉にうっとり。若干凍っているのはご愛嬌。
なんと生でもいけるとか。ラムのクセはあまりなく、肉の旨味が勝る。
薬味は左からおろし玉ねぎ、もみじ、ネギ。
ここで私は気づいたのである。小判型のご飯の謎に。
ちょっとだけ肉をシャブってタレにくぐらせ、ご飯に巻いてEAT!!!
これめっちゃ美味い!巻くのに最適な形の小判は3つ。もう少しご飯多いといいのに……という人はぜひ追加を!これで〆のラーメンまでついてくるんだから嬉しい。
美しい味と書いて、美味しいと読む。
愛を込めて、花束を。
クリスマスディナーなんて知るもんか!
未年2015の締めくくりは、羊でドンといこーぜ!なのである。
来年もいっぱい食べて酔っぱらいたい! 皆様よいお年を……♡