半径205メートルの絶望
ーこれは先日の月曜日に起こった、少し悲しいお話。
月曜日。
それは多くのサラリーマンのとって一番憂鬱な曜日ではないでしょうか。僕も現在無職ですが、サラリーマン時代には少し憂鬱で出社するのが面倒だと感じる曜日でした。そんな憂鬱な月曜日に山口県から大阪へ出張に来ていた友人から食事に誘われたので心斎橋まで行ってきました。
心斎橋で商談を終えホテルにチェックインしていた彼と合流し、久しぶりの再会に喜びを感じ、昔話に花を咲かせました。宿泊場所は心斎橋のクロスホテル。とてもいいホテルです。
本音を言えばホームグラウンドの梅田や京橋、十三まで移動したかったですが、少し疲れた友人の様子を見て、「翌日も朝から仕事を控えた彼」と「無職の僕」の翌日の重要性を勘案した結果、心斎橋で飲むことにしました。
彼のリクエストは「焼鳥」か「大阪名物」で、ホテルから歩いて行けるならどこでも可、との事でした。
そこで徒歩で行ける範囲を考えてみた。
齢30を過ぎ、そろそろ膝の一つや二つカジュアルに割れても致し方ない我々の身体から算出した結果、
ホテルから「半径205メートル以内」で探すことにしました。
「半径205メートルとか少ないだろ!」と憤る標準体型の人がいたら一度考えてほしい。
もし貴方の体重が60kgだったとしよう。
ひとまずデブの定義を「100kg超」と仮定した場合、標準体型の貴方は「40kgの重み」を背負って歩かなければならない。そんな状態で歩ける範囲を想像してほしい。
205メートルが限界ではないでしょうか。
それに最近はあちゅうさんが出した話題の新書は「半径5メートルの野望」、こっちは「半径205メートル」。数字だけ見れば圧勝です。
話を戻そう。
半径205メートルで考えた結果、たまたま僕が大好きな焼鳥屋さんが該当したので訪問しました。
福島区にある焼鳥の名店「炭焼工房 源」で修行された女将さんが営むお店。焼鳥はもちろん、野菜料理やスンドゥブが有名なお店でもある。店内の雰囲気もよく、接待でも活用できる良店だ。ぜひ皆さんも一度訪れてほしい。 心斎橋方面から御堂筋を難波方面にあるくこと5分、御堂筋から一本横に入った筋に看板が見える。 その看板い従い路地裏を歩くと、
ん?
ふむ。
月曜日は定休日でした。
下調べをしてなかったのでしょうがありません。飲食店で月曜日休みって案外多いんですね。アウェイの地である心斎橋、自信を持って紹介できる焼鳥屋さんはこれで全滅です。 どうしようか悩みましたが、無類のから揚げ&ビール好きである友人にはあそこに連れていけばいいかもな?と思い次の店へと出発しました。
ニューミュンヘン。とり乃から徒歩数十秒の距離にあるお店だ。出張疲れが見える友人に対して我ながら完璧な気配りである。
そしてあっという間に店前へ着く。
わかる。
この時点で何か妙な胸騒ぎを感じていた。2連続不発に終わり少し焦っていた頃、大阪名物のあの店を思い出した。
そう、味穂だ。
たこ焼きとおでんが有名で大阪民から絶大な指示を受けているこのお店。ここなら大阪らしさを十分に感じれると思い、店に向かう。ミュンヘンからの距離は徒歩数十秒、店が見えてきた。
わかる。
このあたりからレパートリーがなくなってきたので看板を見て美味しそうな店を見つけて飛び込もうと話をしながら歩き始めた我々の目の前に、骨付鳥が有名なあの店の看板が目に止まりました。
段々焼鳥と大阪らしさからは遠ざかってきましたが、膝に限界が訪れ始めた我々は無言でアイコンタクトを交わし、どちらから誘うでもなくビルへ入りました。
しかし、ビル内のエレベーターに乗り込み、3Fを押しても全く反応がありません。デブにとって階段は天敵ですのでエレベーターを使いたい。でもエレベーターが反応しない。一瞬重量オーバーかとの不安もよぎりましたがそんなこともなさそうでした。
おかしいなと思いエレベーターから出て見渡したところ、
わかる。
ここまで不発が続いたらもう段々と面白くなってきました。店名は割愛しますが、その後ホテル周辺を歩き、看板を見て美味しそうな焼鳥屋さんに入ろうとしたら定休日や満席という状態が更に4軒連続で続きました。
そんな中、空腹と疲労がピークになった友人がポツリと呟きました。
「もう、定休日とかなくて確実に入れそうなお店探そうか…」
と。
そこで、確実に座れそうで、月曜日も営業している焼鳥屋といえば、信頼と実績があるあのチェーン店しかない。僕は思い切って友人に提案しました。
そう、鳥貴族だ。
全品280円と破格の安さながら美味しい焼鳥を提供してくれる素晴らしいお店だ。提案したら怒られるかと思ったが、どうやら山口には鳥貴族がなく、ずっと行ってみたいと思ってたらしくテンションが上がる友人。
思い切って提案してよかった。(安堵)
そしてクロスホテルから半径205メートル以内にある鳥貴族を調べたところ、1店舗が該当したので訪問しました。
鳥貴族へ着くまでの道中、友人に「貴族焼きと釜飯以外は正直、微妙だ!貴族焼き中心に頼もう!」とテンション上げながら話す僕。うんうんと頷きながらテンションを上げる友人。
そして、遂に店に辿り着いた。
〜次回予告
半径205メートルの飲食店は諦め、The 大阪らしさこと食事のデパート「味園」に行ったら最高すぎた。